RRR・・・・・・、RRR・・・・・・、RRR・・・


(――――――Hello?)


もしもし? おれ。










Long-Distance Call










(新ちゃん!?)


んな、叫ぶなよ。


(だってぇ、新ちゃんから電話があるなんて、びっくりするじゃない)


何だよ、そんなにめずらしいか? いいだろ、たまにはおれの方からかけたってさ。


(もちろん、嬉しいに決まってるじゃない)


元気そうだな。こっちも元気にやってるよ。


(身体の具合はどう?)


おれ? 今は調子いいぜ。灰原もいるしな。


(後遺症があったら、ちゃんと知らせてよ?)


だぁいじょうぶだって。定期的に診てもらってっから、心配すんなよ。


(学校の方は?)


ちゃんと行ってるよ。出席率、ぎりぎりだしな。


(卒業できそう?)


たりめーだろ? 補習代わりのレポートだって、死ぬ気でやったんだぜ?


(受験勉強もあるんでしょ?)


そっちの方も、ご心配なく。今のところ、第一志望の合格圏内、キープしてる。


(余裕があるからって、また殺人事件なんかに関わってなぁい?)


関わってねぇよ。だいたい、目暮警部に手を廻したのは、そっちだろ?


(優作だって、新ちゃんのこと・・・)


・・・いいって。コナンになって、さんざん心配かけたからな。しばらくは自重するよ。





(それで? 新ちゃんからかけてくるなんて、よっぽど大事な用件らしいわね)


あぁ、ちょっと、父さんいるか? 執筆中だったら、また今度でいいんだけど。


(大丈夫よ。今代わるから、ちょっと待ってて)


代わるっていうより、父さんと母さんの二人に話があるんだ。





(もしもし、新一?)


久しぶり。仕事は?


(今、ちょうど気分転換がしたかったところだ)


ははは。そっか。


(大事な話があるって?)


うん、実はさ、ちょっとそっちに行こうと思って。父さん達に会って欲しいヤツがいるんだ。


(ほう?)


もしよければ、この家に、下宿っていうか、同居させたいと思ってる。


(蘭ちゃんかな?)


バーロ、蘭なんか連れて来たら、おっちゃんに半殺しにされちまうだろ。・・・男だよ。


(同級生かい?)


同い年で、高校は違うけど、同じ大学受けるんだ。今、勉強見てもらったりしてる。


(どういう人なのかな?)


とにかく、頭がよくてさ。話してて面白ぇし、おれの考えてること、言わなくても判ってくれる。


(新一にそう言わせるとは、相当頭が切れるようだね)


メシ作るのもうめぇし、掃除とか洗濯とかも、遊びに来るたびに、マメにやってくれてる。


(それは、ありがたいね。だけど、同居するとなると、ケンカになることもあるだろう?)


ケンカ、したことも、ある。けどさ、それでも、側にいて欲しいというか、アイツが一緒にいると、落ち着くんだ。


(新一の、親友なんだね?)


「親友」じゃなくて、「相棒」って言ったらいいのかな。


(その人も、探偵かな?)


アイツは探偵じゃねぇよ。・・・けど、アイツと組めば、何だってできるって、そんな気にさせてくれるんだ。


(何でもって、また何かやるつもりかい?)


わぁってるよ、もう無茶はしないって。・・・でも、ねぇか。


(どういうことかな?)




なぁ・・・聞きたいことがあるんだ。


(何だい?)


前に、母さんが変装術を教わった奇術師って・・・黒羽盗一さん、か?


(ええ、そうよ)


もう一つ。1412をKIDと読みかえた若手小説家ってのは、父さんだな?


(・・・その通りだ)


父さん達は、知ってたんだろ?


(・・・・・・あぁ)


あのさ、そいつの名前、「黒羽快斗」って、いうんだ。黒羽盗一さんの、息子だよ。


(・・・そうか)


おれは、それを知ってて、一緒に暮らしたいって、思ってる。


(新一自身が犯罪者になってしまう可能性も考えているんだね?)


おれは、覚悟はできてる。父さん達は、何も知らなかったことにしてくれればいい。


(相変わらず、素直に頼ってはくれないね、新一は)


ごめん。・・・それでも、いいか?


(・・・新一は、彼のことを、どう思っているんだい?)





おれは、アイツのこと、もっといっぱい知って、もっと判ってやりたいと思う。 ポーカーフェイスばっかで、難しいけどな。


(彼のことが、好きなのかい?)


・・・・・・おれにとって、一番大切なヤツなんだ。




(新一が彼のことを信頼できると認めたのなら、父さん達は反対しないつもりだよ)


ありがとう、父さん、母さん。


(可愛い新ちゃんの、滅多にないお願いですもの、ねぇ?)


じゃあ、今度の週末にそっちに会いに行くから。


(快斗くん来るの、楽しみに待ってるわね)


もちろん、母さん好みの、イイ男だぜ?


(じゃあ、気をつけていらっしゃい。それまでに風邪ひいたりしないようにね)


あぁ、そっちもな。じゃ、また。






fin



■back


天野こづえさまからいただきました♪

意外な新一からの電話。掛けた先は両親。
当り障りの無い会話からは、ずっと心配かけていたことに対する謝罪と、見守ってくれたことに対する感謝が見えて、ほんわかとした気持ちになりました。
そして、本題に入った新一くん。
どうしたってノロケているようにしか思えない〜vそんなに誉めまくるなんて、聞いてるほうが照れちゃうな〜と(^^)。突然だったから、さぞパパさんはドキドキしたのではないでしょうかね(笑)。
たとえ世紀の怪盗が息子の恋人だとわかっても、信頼のうえに成り立っている親子だから、あっさりと受け入れて。さすがは新一の両親ですね。
この会話を、快斗がもし聞いていたとしたらどこまでもどこまでも舞い上がったことでしょう。
ところで、ご本人の希望によりご両親の会話は隠しにしてあります。新一くんの会話だけでもいい感じですけれどネ。反転して、二通りの味わいかたでお楽しみください。
とってもステキなお話をありがとうございました!
                                     2002.04.04









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